キキタの本棚

灯台からの響き

【目をみはるほどの幸せ】考えた事はありますか。


亡くなった奥さんの残していった手紙を見つけた康平が、奥さんの秘密にしていた過去を紐解いていくストーリー

終始ゆったりとした感じで話が流れるが、その中で話さられる登場人物のストーリーがおもしろい。

康平の中華そば「まきの」が奥さん(蘭子さん)が亡くなってからしばらく休業をしていて、灯台巡りをしていく中で息子の大学に進学希望の相談があり、大学の費用を賄うとして、まきのを再開する。

蘭子さんが、ある男から届いた葉書を、本に挟まれているのを発見した康平から灯台巡りの旅は始まる。

印象に残っている箇所 

「目をみはるほどの幸せとは」


ここの箇所にすごく、共感した。

何か大きな事を成し遂げた時、
名誉を手に入れた時や、大金を手に入れた時、だけではない。

仕事から帰ってきて温かい風呂に入る事。
ご飯が美味しく作れた時。
彼女とじゃれ合いながら真剣な話をするとき。

何も大きな事が、目立って幸せだけではない。
日々の小さな幸せを大切にできない人は

それより大きな幸せには生涯出会うことがないだろう。

もう1箇所、

人間はやろうと思えばなんでもできる、それが人間と動物の差


という事だが、

確かにやろうと思えばなんでも、できると思う。
そこは動物よりも意識が強く持てるし行動にも移せる。

この物語で感じた事は、小さな幸せを噛み締めるということ。

日々を生きる当たり前の生活を大事にしようと改めて感じる心温まる小説でした。